川尻善昭公式サイト

アーカイブ

『バンパイアハンターD』《監督 劇場長編映画 2000年度作品》

作品紹介                             

イメージを凌駕する、映像快感の連鎖!

 ハードバイオレンスの『妖獣都市』、空前の忍者バトル『獣兵衛忍風帖』で世界中の映画ファンを魅了した川尻善昭監督が作りあげた劇場アニメの最新大作。
 原作は菊地秀行のベストセラー小説『バンパイアハンター』シリーズの第3巻、『D-妖殺行』。人間の娘を連れ去った吸血鬼と、それを追うバンパイアハンターたちの攻防を描くホラー・アクションだ。ゴシックーホラーのムードと攻守の立場を変えながらのスリリングなストーリー展開が魅力である。
 川尻監督は得意の演出テクニックと、箕輪豊作画監督によるキャラクター・デザイン、池畑祐治美術監督指揮による精緻な背景美術などを駆使して、思わず息を呑むほどの密度の高い映像エンターテイメントとして完成させた。異形の戦士が見せる特異な能力とバンパイアハンターの戦い、二人のヒロインを巡って展開するラブ・ストーリーが、重厚かつ華麗な画面の中で繰り広げられる。
 川尻監督は劇場の大スクリーンの中にダイナミックでシャープなアクションを描き、思わず見惚れてしまうキャラクターの表情と華麗な映像美を生んでいて、その〈動〉と〈静〉が連鎖していくアクションの絶妙なタイミングは、これまでの川尻作品の集大成といっていいのではないだろうか。日本のアニメファン、原作小説ファンのみならす、世界が待ち望んでいた超一級の「映画」なのである!

火花散る闇の相克!!

 物語の中で大きな見せ場になるのは、Dとマイエル=リンクの一騎打ちだ。戦いは、二人の衣装がかもし出す漆黒と、剣の輝きや漸撃相打つ火花といった光芒が美しく、まさに深い闇が互いに打ち合う迫力満点の描写になっている。Dが使う剣が放つ光は透過光を使って描きこまれているが、単純に光が入っているだけでなく、刀身のアングルや振り抜くスピードによって描き分けている。
 Dのマントが風に翻る描写もじっくり鑑賞して欲しい部分だ。なにしろ、マントの波打つ動きまで、しっかり描きこまれ、タイトなコスチュームに身を包んだDの硬質なイメージに心地よい躍動感を与えている。ただの「戦闘シーン」ではなく、川尻監督の演出テクニックがぎっしり詰まっているのだ。


ストーリー

 気が遠くなるほど未来の地球。吸血鬼は卓越した科学力を持ち、強大な力と恐怖によって人類を従えた。人々は、吸血鬼を「貴族」と予備、畏怖した。だが繁栄の絶頂で、貴族の文明は急激な衰亡期を迎えた。地球は再び人類の手に戻ったが、辺境には、いまだ生き残りの貴族たちが君臨していたのである。
 そんな貴族の脅威に対抗するため、貴族狩りのプロが求められた。節の体と、人間を凌駕する能力を持つ貴族を狩る者を、人々はバンパイアハンターと呼んだ。
 辺境で二人の娘が貴族に拉致された。娘の名はシャーロット、さらった貴族はマイエル=リンクといった。マイエル=リンクは、シャーロットを黒馬車に乗せ、ある場所をめざしていた。黒馬車には、道中の護衛として3人の戦士が加わった。
 娘を貴族の手から取り戻して欲しい、もし貴族の餌食となっていたら命を断って欲しい――そう懇願する父親の前に、闇のような漆黒をまとった男が立っていた。人と貴族の問に生まれたダンピールの青年――彼こそ、名高きバンパイアハンター“D”であった。
 Dの追撃が始まった。だが、Dと同じ依頼を受けたハンターが、もう一組いた。残忍で凄腕のハンターとして恐れられる、マーカス兄弟である。長兄ボルコフ、ノルト、グローヴ、カイルの4兄弟に、レイラを加えた5人が、Dと競うように追撃を開始していたのだった。だが、マイエル=リンク一行も黙って狩られるのを侍っているわけではなかった。黒馬車を護衛する戦士たちは、バルバロイと呼ばれる異形の一族の出身で、いずれもが特異な能力の持ち主だ。
 マーカス兄弟は、バルバロイの戦士、ベングによってノルトを失い、ボルコフとカイルがその仇を討つ。互いに犠牲者を出しながら、攻防を繰り広げるマーカス兄弟とバルバロイの戦士たち。
 ただ、Dに興味を抱いたレイラは、兄弟とは距離をおいた行動をとり始める。生きるために、バンパイアハンターとして戦ってきたレイラ。Dの生き方に触れた時、人間としての幸福を求めたことすらなかったレイラの中に、少しずつ気持ちの変化が生まれてゆく。
 幸福、それは逃避行を続けるマイエル=リンクとシャーロットが求めているものでもあった。種族の垣根を超えて愛し合う二人は、庇護を約束してくれた貴族、流血の貴婦人の名で恐れられるカーミラの居城、チェイテ城へたどりついた。
 それを追ってD、レイラ、そして兄弟を二人までも失ったボルコフもまた、黒馬車を追って居城に乗り込んだ。
 重き扉に閉ざされた荘厳な城の中で、最後の戦いが始まる!!

※『マッドハウスに夢中!!』から関係者のみなさまのご厚意により転載させていただきました。(初出:『マッドハウスに夢中』)2001年7月7日発行 オークラ出版

スタッフ

 監督・脚本・絵コンテ:川尻善昭
 原作:菊地秀行
 キャラクター原案:天野喜孝
 キャラクターデザイン:箕輪豊
 設定デザイン:池畑祐治・渡部隆・韮沢靖・小池健
 レイアウト:渡部隆・小曽根正美
 作画監督:箕輪豊・浜崎博嗣・阿部恒
 メカ作画監督:仲盛文
 美術監督:池畑祐治
 デジタルスーパーバイザー:八巻磐
 CGテクニカルディレクター:前田庸生
 撮影監督:山口仁
 音楽:MARCO D'AMBROSIO

キャラクター解説

  • D
  • 左手
  • マイエル=リンク
  • 2枚目
    シャーロット
  • ボルゴフ=マーカス
  • ノルト=マーカス
  • カイル=マーカス
  • グローヴ=マーカス
  • レイラ
  • 2枚目
    マシラ
  • ベンゲ
  • カロリーヌ
  • カーミラ
  • バルバロイ長老
  • ジョン=エルバーン
  • アラン=エルバーン
  • ポルクじいさん
  • 治安官
  • レイラの孫
  • 装甲バス

【バンパイアハンターD 作品資料集】


予告編



劇場宣伝チラシ・プレス

© 2001 トライストーン・エンタテイメント/菊地秀行/バンパイアハンターD製作委員会